芥川賞作家の村田紗耶香の新作「信仰」を読んだ感想
人間は嘘を愛している。
人間は嘘がなければ生きていけない。
誰もが、多かれ、少なかれ、自己欺瞞の下で生きている。
そうでなければ、精神が崩壊してしまうから。
人間が生きていくためには、空気が必要である。水が必要である。
もしかしたら、それらと同等か、それ以上に、嘘、自己欺瞞が必要なのだ。
そして、信仰とは自己欺瞞である。
信仰で、印象に残った言葉で打線を作ってみた。
1、ロンババロンティック(センター)右
2、そういうひと(セカンド)左
3、騙される才能がある人間になりたいの(ライト)左
4、私のこと洗脳して(ファースト)右
5、お姉ちゃんの「現実」ってほとんどカルトだよね(レフト)右
6、大切な幻想(サード)右
7、原価いくら?(ショート)左
8、「現実」こそが自分たちを幸せにする真実の世界(捕手)右
9、洗脳する人間を愛してる(投手)右
打線について
記者 打線のコンセプトは何ですか?
監督 インパクト重視の打線や。まず長打力のある一番バッターをもってきた。ホームランもある。最初からガツンいわしたるわ!
記者 二番のそういう人は、小技が得意なバッターですが?
監督 そうや!最初にガツンといわしとくんが大事なんや!二番は堅実にバントや!足も速いし、塁にでたらかけまわせる。
記者 そうですか。4番の「私のこと洗脳して」について教えてください。
監督 やっぱりこのチームの、核となる選手やからな!ここは、外されへん。このチームは、彼のためにあるんや!
記者 そうですか。しかし、そんなこと公言して他の選手からクレーム来ないですか?
監督 公言してるわけやない。今のはあんたを信用してうちあけたんや!でも、3番の「騙される才能ある人間になりたいの」は彼の一番の理解者や!彼はアベレージヒッターで、チームいち打率を残せる。5、6番とは、そんなに仲いいわけではないけど、それはかれをライバルと見てるからで、正常なことや!それに彼らは、4番の残したランナーを返すのに生きがいを感じとるんや!
記者 わかりました。それでは下位打線について教えてください。
監督 「原価いくら」は、チームのムードメーカーや!空気を読めへんとこもあるけどな。捕手については、少し視野が狭い部分があり、それがこれからの課題やけど、しっかり堅実なプレーをしてくれる。
記者 そうですか。最後に投手について教えてください。
監督 とにかく、威力のあるストレートを投げる投手や。一応変化球もあるが、おまけみたいなもんやな!スタミナも抜群や!
記者 今日は、長々と取材ありがとうございました。
監督 いやいや。こっちこそ、ありがとう。
村田紗耶香さんの小説は、好きでよく読んでいる。今回の新作も期待を裏切らないおもしろさだった。今回の結末もクレイジーだったが、村田さんからすれば控えめのほうかな(笑)